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研究室

Research & Initiatives

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代謝物とは生命が生体内で合成する化学物質であり、エネルギー源となるグルコースや神経伝達を担うドーパミン、生物毒やフェロモンまで、その構造や機能は生命活動のあらゆる側面に関与しています。代謝物の研究は、代謝という生命の基本原理の理解から始まり、有用天然物、生命進化、医療、食品、環境保全に至るまで、幅広い分野に革新をもたらす可能性を秘めています。

我々は最新の分析化学とデータサイエンスを駆使し、多分野の研究領域と連携することで、「生命現象の背後にある代謝変動のダイナミクスとそのメカニズム」や「自然界・生命史における代謝物の多様性と進化」の解明 を目指しています。 また、そのための独自のデータ解析技術の開発を行うことで従来の手法では捉えきれなかった代謝物の複雑なネットワークと、その動的な変化を包括的に理解することに挑戦しています。

この分野は、アカデミアの基礎研究にとどまらず、産業分野への発展性や環境問題などの課題解決にも大きく貢献すると期待されています。今後、オミクス技術やAI、ビッグデータ解析などの先端技術との融合により、代謝物の研究はさらに加速し、予想もしなかった発見や応用が生まれる可能性があります。代謝物の世界は、ミクロな視点からマクロな課題解決まで、科学と社会を橋渡しする重要な研究領域です。

キーワード: 分析化学、データサイエンス、代謝物、ペプチド、質量分析、天然物化学、生物進化、食品、環境化学

Our Projects

研究を通して得られる知識・技能

私たちの研究室では、最先端の分析化学とデータサイエンスを駆使し、未知の代謝物の世界に挑戦しています。当グループでの研究を通して、分析化学や生化学はもちろん、最先端のオミクスサイエンス、ケモインフォマティクス、そしてそれらを統合するデータサイエンスの技術が身に付きます。

 本研究室で研究をするために必須な事前知識・経験(プログラミング等)は特に設定していません。本学(九州工業大学)や理系の専攻で学ばれた方であれば、どなたでも参加可能です。

オミクスサイエンス

  • 当研究室では、メタボロミクス、プロテオミクス、トランスクリプトミクスを統合し、生命システムを包括的に理解します。マルチオオミクスの解析経験はビッグデータ駆動のこれからの生命科学・医療などの他分野で強い武器になります。

分析化学・質量分析インフォマティクス

  • 分析化学の中でも質量分析は最も広く使われている技術であり、「古くて新しい」技術といえます。近年は装置の高度化と多分野での活用が進み、その市場は年率7-8%で成長していると言われています。この成長率は多くの科学技術分野を上回り、今後も拡大が続くと予測されています。特に注目すべきは、膨大な質量分析データを解析する技術の高い需要とその可能性です。この分野は現在、大きな可能性を秘めた未開拓領域となっています。

  • 私たちの研究室では、質量分析を中心とした分析化学とデータサイエンスを融合させた先端的なアプローチに取り組んでおり、ここで培うスキルは将来研究者・技術者としてもデータサイエンティストとしても高い価値を持ちます。急成長する分野でのニーズの高い高度な専門性を身につけることは将来のキャリアに大きなアドバンテージになります。

データサイエンス

  • 本研究室ではテーマによって、機械学習、大規模言語モデル、グラフ(ネットワーク)解析、データビジュアライゼーション等の近年注目度とニーズが高い技術を積極的に取り入れています。研究を通してこれらの技術を習得することで、アカデミア・企業問わず、将来多分野で活躍することができます。

  • 研究室に参加する時点では必須ではありませんが、プログラミングの技能は研究する上で少しずつでも身につけてもらいたいと考えています。研究室配属後にプログラミング(Python)講習(研究室での演習+オンラインコースの受講)を行います。

  • 当研究室では専門・プログラミングの基礎を理解した上で、積極的にLLMなどの生成AIを研究に活用しています。研究室負担でCursor、Claude Code、各種LLMモデルのAPI利用などを行っています。これからの時代は「確かな専門知識」と「A Iを活用する能力」両方を持つ人材が求められますが、当研究室の活動でそれを得ることができます。

  • 生成AI(LLM等)のAPI利用や、HPCなどのリソースのコストは研究室がカバーします。個人では試しづらいリソースを是非活用してみてください。

© 2025 Hayakawa lab

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